M&Aと戦略的提携

日本・チェコ間における企業買収とジョイントベンチャー

日本企業とチェコ企業間におけるM&Aや戦略的提携を語る上で欠かせないのは、オロモウツに工場を有する大塚工機株式会社とBrano Groupによるジョイントベンチャーでしょう。このOtsuka Brano社は、2013年にスズキ株式会社が生産する自動車向けクラッチペダルの開発を、2014年には自動スポット溶接技術とTIG溶接技術を使った日産自動車株式会社向けハンドブレーキレバーの開発を行いました。

化学産業分野においても、2010年に大きな戦略的提携が行われています。ウスティ・ナド・ラベムに拠点を置くチェコ企業Spolchemie社は、DIC株式会社(旧 大日本インキ化学工業)の子会社であるSum Chemicalと共同でDIC Epispol社を設立。当企業は現在、チェコにてアルキド樹脂塗料の生産を行っています。

その他、医薬産業分野では2008年に、大塚製薬株式会社がチェコの原薬メーカーInterpharma Praha社を買収。Interpharmaの持つ栄養補助食品と医薬品に適用可能な機能性原料の研究開発能力を活用する目的で、研究開発と製品開発の強化に向けた投資を行いました。

更に歴史を遡ると、日本化薬株式会社とニチメン株式会社(現 双日株式会社)とZV Indet社による、1999年のジョイントベンチャー設立も挙げられます。新設されたIndet Safety Systems社は当初、ヴセティーンにてエアバッグ作動用点火器とシートベルトの生産を行っていましたが、2004年の日本化学による全株取得をきっかけに、更なる新技術の買収と製品ポートフォリオの拡張を実施。その後、2005年に投資優遇措置を活用しR&Dセンターを新設、2013年には新技術と新シフト制の導入による生産の拡大を発表しました。車の安全性強化に伴うニーズが、これらの投資を後押ししてきたことは間違いありません。