チェコインベスト、今後3年間における投資誘致戦略を発表

28.2.2015 | CzechInvest | カレル・クチェラ長官が、今後3年以内にチェコを欧州投資先トップ10へランクインさせるための新規戦略を表明

チェコインベストはチェコの欧州におけるトップ10投資国へのランクインを目指す

2015年2月26日、チェコインベストのカレル・クチェラ長官が今後の発展に向けた戦略を発表しました。戦略の柱となったのは、「外国における活動強化」「既存投資家へのサービス改善」「中小企業への支援」「R&Dリソースの活用」「顧客および協力機関とのコミュニケーション強化」の5項目。こういった取り組みにより、3年以内に、欧州で最も魅力的な投資先国トップ10へのランクインを達成する狙いです。

「チェコは、移行経済期を経て市場主義経済になりつつある。低い製造原価と低賃金の労働力だけで新規投資家を誘致することは、以前と比べて難しくなった。事実、チェコインベストの投資誘致案件は増えているものの、新規投資より拡張投資が増えていることは否めない。外国直接投資の流入は、過去数年ほとんど停滞していると言えるだろう。」と、ヤン・ムラーデック産業貿易大臣は述べています。

こういった事実を受け、昨年10月にムラーデック大臣よりチェコインベスト長官へ任命されたカレル・クチェラ氏は「今後は、外国での誘致活動強化に集中する必要がある。チェコは特に、許認可が予想以上に時間を要すること、農業用地を産業用地へと地目変更する費用が高い、熟練労働者に向けたビザ発給に時間がかかるといった点において、他国より遅れをとっていると言わざるを得ない。」とコメントしました。

外国における活動強化既存投資家へのサービス改善は、今回発表されたチェコインベスト戦略5本柱の重要項目となっています。「この二つの分野においては、チェコインベスト海外事務所の強化をはじめとし、不動産物件の提供拡大や省庁との手続支援といった形で、既存の投資家により信頼性の高いサービスを提供することを目指している。また、チェコ国内外の投資家に向けた、投資支援の新たな可能性も検討している。」とクチェラ氏は説明しています。

その他、チェコインベストは産業ニーズに合った応用研究及びR&Dリソースの活用にも注目。また、投資と資本流入に的を絞った中小企業支援への支援も計画しています。例えば、ベンチャーキャピタルエコシステムの支援を目的とした既存プロジェクト『CzechEkoSystem』や、先進国におけるチェコ企業の発展支援プロジェクト『CzechAccelerator』、分野別サプライヤーデータベースの管理、への強化を継続的に行っていく予定です。クチェラ氏は「航空宇宙・バイオテクノロジー・ナノテクノロジーといった高付加価値産業において、国内外のR&D施設と密接な連携を図っている。関連機関と協力して、新興企業の支援強化・サプライヤーベースの強化・中小企業の輸出強化を実現していきたい。」と述べています。

戦略の5本目の柱となったのは、顧客および協力機関とのコミュニケーション強化です。「事業投資に関する法的環境整備に向けた政府省庁間の協力、各州との協力強化、マーケティングの戦略的推進、といった項目について積極的に取り組んでいきたい。特に、EU構造基金のオペレーションプログラムによって配分される資金を、どう最大限に活用し消化するかが非常に重要だ。」とクチェラ氏は述べています。チェコインベストは数ヶ月後を目処に、海外における優先地域を定め、具体的な戦略を発表する計画です。