チェコ企業、東京にて「宇宙技術に関する協議会」へ出席

16.4.2015 | CzechInvest | 衛星航法補強システム・有人飛行・月面基地の設計など、最先端技術を披露

České firmy prezentovaly Japonsku, jak umí využít vesmírné technologie

日欧産業協力センターは3月中旬、宇宙技術に関する協議会を3日間に渡り開催しました。欧州から来日した12社のうちチェコ企業2社が、チェコインベストの支援を受け参加しました。

チェコ企業Iguassu Software Systems, a.s. はこの協議会で、SBAS(静止衛星型衛星航法補強システム)向け機器を披露。SBASはGPS衛星やGalileo衛星による位置測定の正確性を補遺する技術の総称で、欧州ではEGNOS、米国ではWAAS、日本ではMSASと呼ばれる独自のシステムが開発されています。

「日本は現在、QZSSと呼ばれる独自の準天頂衛星システムへ積極的に投資を行っている。我々はこのシステムへの製品供給のみならず、JAXAやその他関連企業との直接的な開発協力も目指していきたい。欧州は早い段階からEGNOSの開発に着手しており、Iguassu社も2005年からこの技術に関わってきた。この分野においては、チェコは日本より技術的に優れていると言えるだろう。」とIguassu社のオーナー、ペトル・バレシュ氏は述べています。

有人飛行と生命維持装置に携わるチェコ企業Space Innovations, s.r.o. も、今回の協議会に参加。当企業は、月面基地の設計や、自然災害によって破壊された地域の移住先設計に取り組んでいます。

「我々は、極限環境に耐えうるシステムの構築を得意としている。地球で実用化されている類似ハードウェアはあるものの、こういった有人飛行シュミレーションが可能なハードウェアの研究・設計・開発を行う企業はEUの中にもほとんどない。今回の来日で非常に驚いたのは、多くの企業が我々の有人飛行ノウハウに興味を示していること、また現在日本で計画されている弾道飛行のための宇宙船基地計画に対する我々の協力が歓迎されていることだ。」とSpace Innovationsの創立者、オンドレイ・ドウレ氏は述べています。

宇宙技術産業に従事するチェコ企業の多くは、地球観測・衛星航法システム・通信衛星・宇宙監視といった技術に加え、化合物やポリマーといった先端材料の開発に特化。ほとんどの企業がチェコ宇宙連盟CSAに加盟しており、AVX・ESC・Frentech Asrospace・5M・CSRC・Tosedaといった企業(CSAの会員リストはこちら)が、積極的に日本でのビジネス機会を模索しています。CSAは現在、チェコ共和国交通省による協力の下、JAXAとの正式協定の締結に取り組んでいます。

この分野においてチェコへ投資を行った日本企業には、光学・X線分光分析装置メーカーである株式会社リガクと京セラ株式会社が挙げられます。リガクのチェコ支店は、ドルニー・ブルジェジャニ、ホドコヴィツェ、ヴェステッツといった科学技術の集積地に近接。京セラの関係会社AVX Czech Republic s.r.o. もランシュクロウンに位置し、火星探査機に搭載される岩肌分析レーザー装置へのエネルギー供給部品を製造しています。

チェコの宇宙関連企業は、駐日チェコ共和国大使館とチェコインベストによる協賛のもと、2016年10月12日から15日に東京ビッグサイトにて開催される「JA 2016 国際航空宇宙展」にも出展する予定です。